LMICでの経腟分娩時の敗血症予防にアジスロマイシン:A-PLUS
Azithromycin to Prevent Sepsis or Death in Women Planning a Vaginal Birth
背景
中低所得国(LMIC)、特に低所得国では、経腟分娩でも敗血症が発生しうる。
イングランドUniversity of Alabama at BirminghamのTitaら(A-PLUS)は、妊娠28週以降に経腟分娩を開始した女性に対するアジスロマイシン 単回経口投与の効果を検証するRCTを行った(n=29,278, 対照:プラセボ)。一次アウトカムは、産婦の敗血症・死亡の複合である。
結論
中間解析で母体利益が認められ、試験は早期終結された。アジスロマイシン群の一次アウトカム発現相対リスクは0.67であった。死産・新生児死亡・新生児敗血症の発生率には 群間差はなかった。有害事象発生率にも群間差はなかった。
評価
特に低所得国における産婦死亡の激減をもたらす可能性のある方策を、現地における大規模RCTで提起した。重要な提案だが、大規模実施は耐性菌発現という帰結を伴いうる。さらなる議論と試行が必要となる。