オミクロン・ワクチン期COVID-19の妊娠へのインパクトは:INTERCOVID-2022
Pregnancy outcomes and vaccine effectiveness during the period of omicron as the variant of concern, INTERCOVID-2022: a multinational, observational study
背景
ワクチン・オミクロン期以前のCOVID-19では妊娠リスクが確認されているが、以後では。
イギリスUniversity of OxfordのPapageorghiouら(INTERCOVID-2022)は、2021年11月27日〜2022年6月30日に18ヵ国41病院における妊婦4,618名を対象に、オミクロン株流行期COVID-19の妊娠・周産期アウトカムへの影響を検討する観察研究を行った。一次アウトカムは、母体罹患・死亡指数(maternal morbidity and mortality index:MMMI)、重症新生児罹患指数(severe neonatal morbidity index:SNMI)、重度周産期罹患・死亡指数(severe perinatal morbidity and mortality index:SPMMI)である。ワクチン有効性は、母親のリスクプロファイルで調整して推定した。
結論
COVID-19感染のMMMIのRRは1.16、SPMMIのRRは1.21であった。SNMIリスクも増加傾向を示したが有意でなかった。COVID-19感染ワクチン未接種妊婦は、MMMIのリスクが高かった(RR 1.36)。重度COVID-19では、重度母体合併症(RR 2.51)・周産期合併症(RR 1.84)・死亡(RR 11.83)リスクが増加した。COVID-19の重症合併症に対するワクチンの効果(全種類ワクチン統合)は、完全接種で48%、ブースター接種で76%だった。
評価
最大の多国籍斉一観察研究によって、オミクロン・ワクチン期におけるCOVID-19に関する重要情報を生成した。オミクロン以前期と本質的には変わっていない。