高齢期での認知機能保持のためには中年期から少量運動の継続を:最長研究
Timing of physical activity across adulthood on later-life cognition: 30 years follow-up in the 1946 British birth cohort
背景
高齢期における認知機能維持のための身体活動に関し、多大な研究が累積されている。
イギリスUniversity College LondonのJamesらは、1946 British birth cohort登録者 (n=1,417)を対象として、これを検討する前向コホート研究を行った。参加者は36〜69歳間に5度の余暇時身体活動量を報告し、そのデータをもとに非活動的(月/0活動)・中等活動的(月/1-4度の身体活動参加)・高活動的(月/5度以上の身体活動参加)に分類した。一次アウトカムは、69歳での認知機能・言語記憶・処理能力である。
結論
全運動量評価時に運動習慣があった参加者は69歳で高い認知機能を有し、認知機能・言語記憶の効果サイズは、運動量が中等〜高活動的な全年齢層成人で同様だった。また、持続的な累積運動量と高齢期での認知機能に強い用量反応関係がみられた。
評価
成人期に月1度でも運動を継続することで良好な高齢期の認知機能を保持できるという結論である。最長とみられる30年フォローアップで、同コホートにおける先行研究(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12560011/・https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22988508/)を拡張した。