頭部外傷は一度でも軽度でも長期死亡リスクを倍増させる
Head Injury and Long-term Mortality Risk in Community-Dwelling Adults
背景
頭部外傷は短期死亡リスクを増すが、長期死亡との関連は。
アメリカUniversity of PennsylvaniaのSchneiderらは、ARIC:1987-2019研究参加者13,037名(フォローアップ期間中央値 27.0年)のデータに基づく,前向コホート研究を行った。
結論
頭部外傷無しと比較して、頭部外傷患者の全原因死亡ハザード比は1.99だった。また、頭部外傷の回数(1回 HR 1.66、2回以上 HR 2.11)・重症度 (軽度 HR 2.16、中等〜重度, 穿通性頭部外傷 HR 2.87)との用量依存関連も認めた。
評価
短期研究にはすでに古典的メタアナリシスも存在するが(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23163240/)、この規模での長期研究は初めてとみられる。一度でも軽度でも頭部外傷既往者は全原因死亡リスクが倍増する、という高インパクトの結論で、因果関連に深掘り価値がある。