ランニングが膝関節軟骨に与える影響は短期的?
Is running good or bad for your knees? A systematic review and meta-analysis of cartilage morphology and composition changes in the tibiofemoral and patellofemoral joints
背景
ランニングは変形性関節症(OA)発症、または悪化と関連するか。
オーストラリア La Trobe UniversityのCoburnらは、これを検討するシステマティックレビュー・メタ解析を行った。対象は、ランニング直後(20分以下)と長時間後(20分〜48時間後)のMRI評価を行い、前後を比較してランニングが膝股関節軟骨に与える影響を検討した24研究(n=396)である。
結論
研究の1/3のみが低バイアスリスクであり、股関節に関してのデータはなかった。ランニング直後は大腿骨荷重部位の軟骨厚の3.3%、膝蓋軟骨厚の4.9%減がみられ、T1ρ・T2 r 緩和時間もランニング直後は低下した(大腿骨滑車部軟骨部で最大13.1%)。脛骨大腿軟骨T2緩和時間は、ランニング91分後にはベースラインレベルまで回復した。既存の軟骨欠損には、ランニング48時間後も変化はなかった。
評価
ランニングが膝軟骨に破壊的ダメージを与えることはない、という暫定結論である。全体のエビデンスレベルが低く、さらなる検討が必要である。