To Cool or Not to Cool 脳死ドナー腎移植での低体温戦略の劣性を示す
Hypothermia or Machine Perfusion in Kidney Donors
背景
脳死ドナー腎移植で低体温戦略が有力視されているが、機械潅流戦略との最終決着はついていない。
アメリカUniversity of CaliforniaのNiemannらは、725名の脳死ドナーからの1,349腎を対象として、両戦略の優劣を比較するRCTを行った。両戦略併用との比較も行った。一次アウトカムは、レシピエントにおける移植腎機能発現遅延(移植後7日以内の透析開始)である。
結論
低体温戦略の機械灌流戦略への一次アウトカム劣性を認めた(RR 1.72)。併用戦略に追加効果はなかった。
評価
現在、アメリカ腎移植での機械灌流は1/3程度である。低体温戦略には明らかなコストメリットがあり(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ctr.13626)、NEJMEditorialは、To Cool or Not to Coolとして様々な論点を列挙し、ここでの結論を最終化することを保留している。