テキサス州の中絶禁止のインパクトは甚大
Association of Texas’ 2021 Ban on Abortion in Early Pregnancy With the Number of Facility-Based Abortions in Texas and Surrounding States
背景
アメリカでは妊娠中絶が大きな政治争点になっている。2021年9月、アメリカテキサス州は胎児心拍確認後人工妊娠中絶を禁止する法(SB8)を導入したが、その帰結は。
University of TexasのWhiteらは、2020年9月〜2022年2月の80,107件の中絶を対象とする後向分析を行った。一次アウトカムは、SB8導入前後1カ月の州内外における州民の中絶数の変化である。
結論
州内中絶件数は半減し(率比[IRR] 0.43)、州外でのテキサス州民の中絶が激増した(IRR 5.38)、州内外合計中絶数は有意に減少した(IRR 0.67)。妊娠12週以降での州外中絶は、SB8施行後6ヵ月間で17.1%から31.0%へと有意に増加した。
評価
アメリカでの全面・部分的中絶禁止州は現在15である。このテキサスデータは、同法が問題を州外に拡散させていることを示唆している。