高・上位中所得国における周産期アウトカムへの人種・民族の影響は明白
Effects of race and ethnicity on perinatal outcomes in high-income and upper-middle-income countries: an individual participant data meta-analysis of 2・198・655 pregnancies
背景
妊娠アウトカムに対する人種・民族の影響に関するグローバルエビデンスは。
スペインHospital Universitario Ramon y CajalのZamoraらは、高所得国・上位中所得国20ヵ国からの51研究(2,198 655妊娠)の参加者個人データ(IPD)ベースメタ解析により、これら諸国における周産期アウトカムに対する人種・民族の影響を評価し、格差が同定された場合は、その規模が地理的地域によって異なるかどうかを検討した。一次アウトカムは、新生児死亡・死産である。
結論
黒人女性の生児は、白人女性の生児より新生児死亡(OR 2.00)・死産(2.16)・早産(1.65)・在胎不当過小児(SGA児)(1.39)のリスクが高かった。ヒスパニック系女性の生児は、白人女性の生児より新生児死亡リスクが3倍高く(OR 3.34)、南アジア女性の生児は早産(OR 1.26) ・SGA児(1.61)リスクが高かった。人種・民族のこのような影響に、地域差はなかった。
評価
特にアメリカで確認されてきた事象の、初めてのグローバルな確認で、「黒人」女性の妊娠アウトカムが、世界のどの高・上位中所得国に居住していても劣悪であることを明示した。

