ザイールエボラウイルス病への2ワクチンの有用性を確認:PREVAC
Randomized Trial of Vaccines for Zaire Ebola Virus Disease
背景
エボラウイルス病(EVD)は未だ根絶されておらず、COVID-19猖獗中の2022にもコンゴ民主共和国で発生している。現在ザイールエボラウイルス感染予防には2ワクチンが使用されており、比較が必要である。
フランスHopital BichatのYazdanpanahら(PREVAC)は、成人1,400名・小児1,401名を対象として行われた3レジメン 2RCTの結果を報告している。比較レジメンは:最初にAd26.ZEBOVを接種し、56日後に2MVA-BN-Filoをブースターする(Ad26-MVA 群)、最初にrVSVΔG-ZEBOV-GPを接種し、56日後にプラセボを接種する(rVSV群)、最初にrVSVΔG-ZEBOV-GPを接種し、56日後にrVSVΔG-ZEBOV-GPをブースターする(rVSV-ブースター群)、である。一次エンドポイントは12ヵ月時点での抗体反応である。
結論
一次エンドポイントは、Ad26-MVA群で成人の41%と小児の78%、rVSV群で各76%・87%、rVSV-ブースター群で各81%・93%、プラセボ群で各3%・4%で確認された。安全性懸念は認められなかった。
評価
いずれも承認済ワクチンだが、レジメンを含めた直接比較は初めてである。抗体応答を確認した試験で感染防護能の比較ではないが、対照者にも感染者は出ていない。コロナ禍の中での接種の汎化が課題である。