小児型ポンペ病に対する子宮内酵素補充療法の概念を実証
In Utero Enzyme-Replacement Therapy for Infantile-Onset Pompe’s Disease
背景
現在早期発症ライソソーム病患者には新生児期に酵素補充療法(ERT)が行われている。
アメリカUCSF Pediatric SurgeryのMacKenzieらは、CRIM(交差反応性免疫物質)陰性の小児発症型ポンペ病胎児に対して行われた子宮内酵素補充療法(ERT)を報告している。患者胎児は、病原バリアント NM_000152.5(GAA ):c.525_526del (p.Asn177fs) のホモ接合保有者で、死亡した兄弟2名には心筋症を伴う小児発症型ポンペ病が認められていた。
結論
胎児に妊娠24〜34週に 経臍帯静脈を介して超音波ガイド下でアルグルコシダーゼ アルファを計6回投与した。出生後は標準ERTに移行し、生後13ヵ月現在患者は正常心機能・運動機能を有し、発達マイルストーンを達成、バイオマーカー値も正常で、摂食・成長は良好である。
評価
有力な治療法に関する最初の臨床レベル概念実証試験である。以後正規の第1相試験に移行することとなり、また他のライソゾーム病でも試みられることになる。