軽症COVID-19後のPASC(post-acute-phase sequelae)とは
Persistent Exertional Dyspnea and Perceived Exercise Intolerance After Mild COVID-19: A Critical Role for Breathing Dysregulation?
背景
軽症COVID-19感染後に労作性呼吸困難や運動耐容能低下が起こるPASC(post-acute-phase sequelae) が最大88%ともいわれる感染患者で報告されているが、そのメカニズムは。
オランダRadboud UniversityのVoorthuizenらは、同患者21名を対象に、32週にわたる心肺運動負荷試験を行った。
結論
最大酸素摂取量平均値は予測値の99%で、嫌気性閾値は正常であった。心血管系やガス交換に異常は検出されなかった。しかし、95%に呼吸調節異常が認められた(換気不全29%、呼吸数・一回換気量異常57%、ETpCO2上昇なし57%、安静時血液ガス異常67%)。
評価
軽症COVID-19後PASC患者の労作性呼吸困難・運動耐容能低下が呼吸調節障害によるものとした。著者らは、このような後遺症が他の一般呼吸器感染症ではみられないと示唆し、COVID-19特有の多臓器障害症候群の一要素ではないか、としている。