Long COVID発症は感染者の6.2%、女性は男性の倍
Estimated Global Proportions of Individuals With Persistent Fatigue, Cognitive, and Respiratory Symptom Clusters Following Symptomatic COVID-19 in 2020 and 2021
背景
COVID-19の「後遺症」Long COVIDに関しては、不明点が多い。
アメリカUniversity of WashingtonのHansonら(Global Burden of Disease Long COVID Collaborators)は、120万人(22カ国)54研究、米国の2つの医療記録データベースのプーリングによる観察分析を行った。54研究中、発表されたのは44研究で、 10の共同コホート研究が含まれた。一次アウトカムは、SARS-CoV-2感染後3カ月における、自己報告によるLong COVID3症状(身体の痛みや気分のむらを伴う持続的疲労、認知障害、継続的な呼吸障害)中、少なくとも1つである。
結論
一次アウトカムは、感染者の6.2%に発生した(継続的な呼吸障害3.7%、身体の痛みや気分のむらを伴う持続的疲労3.2%、認知障害2.2%)。 感染3ヵ月後のLong COVIDの症状は、 20歳以上では女性の方が男性よりも多くみられた(10.6% vs. 5.4%)。Long COVID症状の推定平均期間は、 入院患者で9.0カ月、非入院患者で4.0カ月であった。
評価
散発的に報告されてきたLongCOVIDの、最初の本格的系統レビューである。免疫応答不全・血栓凝固系障害・内分泌-自律神経障害・ACE2経路適応障害等が提唱されているが、病因・病態は明らかではない。