SARS-CoV-2オミクロン株対応2価ブースターmRNAワクチンの開発成功を発表:Moderna
A Bivalent Omicron-Containing Booster Vaccine against Covid-19

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
October 2022
387
開始ページ
1279

背景

ModernaとPfizer/BioNTechは、オミクロン株対応2価ブースターワクチンを開発した。
ModernaのChalkiasらは、同社のmRNA-1273.214 50 (武漢株・オミクロン株 のスパイクタンパクをコードするmRNAの等量含有:2価ワクチン)の既承認mRNA-1273(1価ワクチン) とのブースター使用効果を比較する第2・3相試験の中間結果(ブースター接種後28日時点でのmRNA-1273.214の安全性・反応原性・副反応・免疫原性)を報告している。

結論

2回目のブースターとして2価ワクチンを437名、1価ワクチンを377名に接種した。過去にSARS-CoV-2に感染していない参加者で、オミクロン株BA.1系に対する中和抗体価は、2価ワクチン接種者が高かった(2,372.4 vs. 1,473.5)。オミクロン株BA.4・BA.5系に対しても同様であり、他の複数変異株(アルファ株・ベータ株・ガンマ株・デルタ株)に対しても同様であった。安全性・反応原性・副反応に関し、差はなかった。探索的解析では、SARS-CoV-2感染は2価ワクチン接種者で11例、1価ワクチン接種者で9例発生した。

評価

Moderna・Pfeizerが同時に開発成功したもので、この中間結果等データに基づき、すでに両ワクチンともFDA承認されている(https://www.fda.gov/emergency-preparedness-and-response/coronavirus-disease-2019-covid-19/covid-19-bivalent-vaccine-boosters)。以降のバリアントに対しても同様に対応できるものとみられるが、汎コロナワクチンの創製が望ましい。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell