妊婦HIVへのドルテグラビルベースARTの有益性を支持:ChildHIV
Dolutegravir in Pregnancy as Compared with Current HIV Regimens in the United States
背景
妊娠中のHIV-1感染にはドルテグラビルベースのARTが推奨されているが、エビデンスは十分でない。
アメリカHarvard T.H. Chan School of Public HealthのPatelら(Child HIV)は、妊娠中の初回ART レジメンにおける以下の組み合わせのアウトカムを比較する後向研究を行った。ドルテグラビル(n=120)・アタザナビル+リトナビル(464)・ダルナビル+リトナビル(185)・経口リルピビリン(243)・ラルテグラビル(86)・エルビテグラビル+コビシスタット(159)。エンドポイントは、分娩時のウイルス抑制、および児の早産・低出生体重・SGAである。
結論
ドルテグラビルと比較して、アタザナビル+リトナビルとラルテグラビルは、分娩時のウイルス抑制の頻度が低かった。ドルテグラビルベース ART と非ドルテグラビルベース ART との間に、出生における有害アウトカムに有意差は認められなかった。
評価
現在の標準であるドルテグラビルベースARTの有益性を確認する結果である。著者らは、ドルテグラビルが使用回避されるべき場合には、ダルナビル+リトナビルで置換することを推奨している。