早産リスクのある母体に対するベタメタゾンの減量は不可?:BETADOSE
Neonatal outcomes for women at risk of preterm delivery given half dose versus full dose of antenatal betamethasone: a randomised, multicentre, double-blind, placebo-controlled, non-inferiority trial
背景
早産リスクのある母体に対する胎児肺成熟を目的としたベタメタゾン投与には成長・神経発達障害副作用が示唆されている。
フランスRobert Debre HospitalのSchmitzら(BETADOSE)は、同国周産期医療センター37施設において、早産リスクがある単胎児で、妊娠32週までにベタメタゾン(11.4mg)初回注射を受けた18歳以上の妊婦を対象に、以後における同薬用量半減の可能性を検証する非劣性RCTを行った(対照:全量投与 n=3,141)。一次アウトカムは、出生後48時間以内の外因性気管内サーファクタント使用である。
結論
ITT解析では、一次アウトカムは、半量投与群の新生児の20.0%、全量投与群の新生児の17.5%で発生し、非劣性マージンに達しなかった。非劣性はper-protocol解析でも示されなかった。新生児死亡・グレード3〜4脳室内出血・壊死性腸炎(ステージ2以上)・重症未熟児網膜症・気管支肺異形成の発生率に群間差はなかった。
評価
2020のCochrane Reviewは、効果は確実としつつ、副作用には言及していない(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33368142/)。今回の結果は減量を一応不可とするが、重篤アウトカムに差はみられていない。著者らは長期アウトカムの確認が必要、としている。