「謎の小児急性肝炎」英発端44例を報告
Clinical Spectrum of Children with Acute Hepatitis of Unknown Cause

カテゴリー
看護・母子医学
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
August 2022
387
開始ページ
611

背景

2022年1月に英から報告された不祥の小児肝炎は、世界に波紋を広げている。
イギリスBirmingham Women’s and Children’s NHS Foundation TrustのKelgeriらは、2022年1月1日〜4月11日に同センターに集積された44例の報告を行っている。確定症例の定義は、血清アミノトランスフェラーゼ値 >500 IU/L 、非A〜E型、代謝・遺伝・先天・機械的原因の排除、である。

結論

全症例は生来健康で、年齢中央値は4歳であった。高頻度の症状は、黄疸(93%)・嘔吐(54%)・下痢(32%)であった。30例中27例がヒトアデノウイルス陽性であった。6例が劇症肝不全を発症し、その全例が肝移植を受けた。死亡例はなかった。肝移植6例を含む全員が自宅退院した。

評価

NEJMはアメリカUniversity of Alabama at Birminghamからの15例報告を併載しており(https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa2206294)、そこでも89%でアデノウイルス陽性であったものの、肝生検ではウイルスは見出されなかった。NEJM Editorialは、ヒトアデノウイルス41との関連は未だ不明で、データ蓄積が必要である、としている。

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取り上げる主なジャーナル(看護・母子医学)

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