最大のビッグデータで急性腰痛へのPT早期導入を支持
Initial presentation for acute low back pain: is early physical therapy associated with healthcare utilization and spending? A retrospective review of a National Database
背景
急性腰痛(LBP)への理学療法(PT)の早期導入の効果は。
The Johns Hopkins UniversityのSkolaskyらは、Truven MarketScanデータベースに基づき、2010〜2014年に受診した18〜64歳非骨格系原因の急性LBP患者980,000名を特定し、初診から2週間以内の早期PTを受けた患者(n=110,000)と、受けなかった患者の30日・1年後のヘルスケア利用・コストを比較する後向コホート研究を行った。
結論
早期PTは、30日でのカイロプラクティック(OR 0.41)・疼痛専門医(OR 0.49)・救急外来(OR 0.51)・さらなる画像診断(OR 0.57)・整形外科(OR 0.67)・硬膜外ステロイド注射(OR 0.68)利用の低オッズと関連し、さらに1年では低いヘルスケア利用と関連した。また、早期PTは30日でのLBP関連出費が低かったが($1180 vs. $1250)、1年では逆転した($2510 vs. $2588)。早期PT利用率(利用率範囲4〜25%)、30日LBP関連出費 (出費範囲 $421~$410)は、州によって異なった。
評価
PT導入は早期が良い、というすでに多くの研究のある結論を、最大規模のビッグデータで確認した。本研究では、1年時点でのコストが逆転しているが、著者らは、後期コストも低下するという他研究が多い、としている。


