早期パーキンソン病への抗α-シヌクレイン抗体薬の効果を否定
Trial of Cinpanemab in Early Parkinson’s Disease

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
August 2022
387
開始ページ
408

背景

パーキンソン病に対する抗α-シヌクレイン抗体の効果は。
BiogenのDamら(SPARK)は、357名の同早期患者を対象として、cinpanemabの効果・安全性を検証する第2相試験を行った(対照:プラセボ)。一次エンドポイントは、MDS-UPDRSスコアのベースライン以後52週・72週での変化である。

結論

試用全用量でcinpanemabの一次エンドポイント効果を認めなかった。二次エンドポイントでも効果が無かった。実薬群で高頻度の有害事象は、頭痛・鼻咽頭炎・転倒であった。

評価

NEJMは類似のprasinezumabに関するPASADENA結果を併載しており(https://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMoa2202867)、同じく無効結果を出している。同Editorialは、「残念だが、試験の質は卓越しており、パンデミック期間に実施されたことも驚きである」と両グループの労を多としている。この仮説は否定されたとみなされる。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell