皮膚エリテマトーデスへの抗BDCA2抗体薬litifilimab第2相で有効:LILAC
Trial of Anti-BDCA2 Antibody Litifilimab for Cutaneous Lupus Erythematosus

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
July 2022
387
開始ページ
321

背景

全身性エリテマトーデス(SLE)発症における血液樹状細胞抗原2(BDCA2)の重要性が明かになってきている。
BiogenのFranchimont ら(LILAC)は、皮膚エリテマトーデス成人患者132名を対象として、同モノクロ-ナル抗体litifilimab(特にI型インターフェロンを抑制する)の有効性・安全性を検証する第2相試験を行った(対照:プラセボ)。一次エンドポイントは、ベースライン後16週での皮膚エリテマトーデスの疾患面積・重症度指数活動性スコア(CLASI-A)の変化(%)である。

結論

Litifilimab3用量での用量応答を伴う一次エンドポイント効果を認めた(450mg で−28.0%)。実薬群で過敏症・口腔ヘルペス感染症・帯状疱疹感染症を認め、1名で帯状疱疹髄膜炎が発生した。

評価

全身性SLEにおける類似の抗インターフェロン薬anifrolumabは、すでにFDA承認されている(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmoa1912196)。Biogenのこの新薬は皮膚SLEを標的化したものだが、感染症はインターフェロン抑制薬のクラス有害効果である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell