血友病BのAAVS3遺伝子治療FLT180a第1・2相をクリア
Phase 1-2 Trial of AAVS3 Gene Therapy in Patients with Hemophilia B
背景
血友病は遺伝子治療が最も進行している分野の一つである。
英国Royal Free HospitalのNathwaniらは、中等〜重度の血友病B患者10名を対象として行われた肝指向アデノ随伴ウイルス(AAV)遺伝子治療FLT180a(verbrinacogene setparvovec)の第1・2相試験の結果を報告している。一次エンドポイントは、安全性と有効性(26週時点における第 IX 因子活性)である。
結論
全患者で第IX因子活性の用量依存的上昇を確認し、9名で 同活性の維持を認めた。データカットオフ時点で、同活性は5名で正常範囲、3名で23〜43%、1名で260%であった。報告有害事象の約10%はFLT180aに関連し、24%は免疫抑制療法に関連した。FLT180a関連の有害事象では、肝アミノトランスフェラーゼ値の上昇が最も高頻度であった。重篤有害事象として1名で動静脈瘻血栓症が発生した。
評価
血友病Aに関してはBioMarin が3年結果をNEJM発表しており(https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa1908490)、レビューもある(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34781798/)。このFreeline Therapeuticsのものは、血友病Bでは先行的だが、競争は激しい(https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03861273)。