新生児低酸素性虚血性脳症に対するエリスロポエチン使用にエビデンスなし
Trial of Erythropoietin for Hypoxic-Ischemic Encephalopathy in Newborns
背景
新生児低酸素性虚血性脳症にエリスロポエチンが有効であるという報告がある。
University of CaliforniaのWuら(HEAL Consortium)は、在胎36週以降に出生した中等〜重度の同疾患乳児 501名を対象として、標準的低体温療法へのエリスロポエチン追加の効果・安全性を検証するRCTを行った(対照:プラセボ)。一次アウトカムは、生後22〜36ヵ月時点での死亡または神経発達障害である。
結論
一次アウトカムに群間有意差を認めなかった。重篤有害事象は、エリスロポエチン群の方が多かった。
評価
同手法に関しては、PENUTが単独治療の無効を報告している(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1907423)。低体温療法への上乗せの効果をみた今回の試験の失敗により、支持エビデンスは薄弱となった。