オミクロン株BA1/BA2 感染に対する感染既往およびワクチン接種の効果
Effects of Previous Infection and Vaccination on Symptomatic Omicron Infections
背景
SARS-CoV-2オミクロン株B.1.1.529亜系統BA.1/BA.2による有症状感染に対する感染既往・ワクチン接種の防御効果は。
Weill Cornell MedicineのChemaitelly らは、2021/12/23〜2022/2/21 にカタールで国家国規模ケース・コントロール(マッチさせた検査陰性者)研究により、この問題を検討した(使用ワクチンはPfizerおよびModerna)。
結論
有症状BA.2感染の予防に関する感染既往のみの有効率は46.1%、Pfizer ワクチン2回接種・感染無既往の有効率-1.1%であった(ほぼ全員の2回目接種は6ヵ月以上前)。Pfizerワクチン3回接種・感染無既往の有効率は52.2%であった。感染既往・Pfizerワクチン2回接種の有効率は55.1%、感染既往・Pfizerワクチン3回接種の有効率は77.3%であった。BA.2感染による重症・重篤・致死Covid-19の予防に関しては、感染既往のみ・Pfizerワクチン接種のみ・ハイブリッド免疫のいずれも強い有効性(>70%)を示した。BA.1感染、およびModernaワクチンに関しても同様であった。
評価
オミクロン株に関しても、「ハイブリッド免疫が最強だが、重症化は既感染でもワクチン接種でも十分抑えられる」という、疫学実態を説明しうる結論を出した。BA4・BA5に関するデータは未だない。.