α-1アンチトリプシン欠乏症に対するRNAi薬fazirsiran第2相をクリア
Fazirsiran for Liver Disease Associated with Alpha1-Antitrypsin Deficiency
背景
α-1アンチトリプシン欠損症(AATD)に伴う肝疾患に、RNA干渉(RNAi)新薬が登場した。
ドイツRWTH Aachen UniversityのStrnadら(AROAAT-2002)は、同患者16名を対象としてRNAi薬fazirsiranの有効性・安全性を検証するオープンラベル第2相試験を行った。一次エンドポイントは、ベースライン後24週間または48週間までの肝内Z-AAT蓄積量の変化である。
結論
全患者で肝内Z-AAT蓄積量が減少した(24週または48週での減少中央値83%)。門脈炎の組織所見、肝酵素値、肝線維化に改善がみられた。重篤有害事象が4件(ウイルス性心筋炎・憩室炎・呼吸困難・前庭神経炎)あったが、試験離脱には至らなかった。
評価
急性肝性ポルフィリン症治療薬ギボシランのブレークスルー以後、肝臓はRNAi療法の中心フィールドとなっている(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35589258/)。Fazirsiranも、難病AATDのファーストインクラス薬として、FDAに画期的治療指定を受けている。第3相が期待される。