出産・授乳とIUDによる子宮穿孔の関連は:最大規模調査APEX-IUD
Intrauterine device-related uterine perforation incidence and risk (APEX-IUD): a large multisite cohort study

カテゴリー
看護・母子医学
ジャーナル名
The Lancet
年月
June 2022
399
開始ページ
2103

背景

出産後や授乳中のIUD挿入に子宮穿孔リスクがある、というデータがある。
University of Washington(APEX-IUD)のReedらは、フルコホート326,658名・分娩後サブコホート94,817名の電子カルテ(EHR)データに基づき、出産・授乳とIUD関連子宮穿孔の関連を評価した。一次アウトカムは、期間中最初のIUD留置後のIUD関連子宮穿孔診断である。

結論

フルコホートで1,008件の子宮穿孔を確認し、5年間累積発生率は非産後挿入群が最も低かった(0.29%)。穿孔における非産後に対する分娩後挿入のaHRは2.73〜6.71であった。分娩後サブコホートで673件の子宮穿孔を確認し、5年間累積発生率は1.37%であった。授乳によるリスク増を認めた(aHR 1.37)。

評価

この問題に関する最大規模の本格調査である。著者らは、「産後4日〜6週間のIUD挿入は子宮穿孔リスクを7倍増すが、もともと非常にまれな事象であることに変わりはない」として、避妊のベネフィットとの比較考量を薦めている。インフォームドコンセントにおける有用な数値データとなった。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(看護・母子医学)

Oncology Nursing Forum, International Journal of Nursing Studies