座りっぱなしの有害さは国のGDPと関連する
Association of Sitting Time With Mortality and Cardiovascular Events in High-Income, Middle-Income, and Low-Income Countries
背景
座位の有害性は多くの研究で確認されているが、グローバル比較は少ない。
カナダSimon Fraser UniversityのLearらは、Prospective Urban Rural Epidemiology(PURE)studyデータに基づき、高所得国(HIC)〜中低所得国(LMIC)21ヵ国の35〜70歳105,677名を対象として、International Physical Activity Questionnaire評価による座位時間と、全原因死亡・MACE(心血管因死亡・心筋梗塞・脳卒中・心不全)の複合アウトカムの関連を検討する後向コホート研究を行った。追跡期間中央値は11.1年である。
結論
座位時間1日4時間以下の参照集団と比較して、1日8時間以上の座位時間は複合アウトカム(HR1.19)・全原因死亡(HR1.20)・MACE(HR1.21)発生リスク増と関連した。HIC・Upper-Middle?Income Countries(1日8時間以上HR1.08)と比べ、LIC・Lower-Middle?Income Countriesでは、座位時間と複合アウトカム発生リスクの関連が強かった(1日8時間以上HR1.29)。
評価
カナダ・中国が主導する大規模国際PURE研究(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19540385/)の最新解析である。ビッグデータで、「タバコより悪い」とも言われる座りっぱなしの害が、GDPと関連することを初めて示した。