積極多面介入で高齢者のフレイル・サルコペニア悪化を防止:SPRINTT
Multicomponent intervention to prevent mobility disability in frail older adults: randomised controlled trial (SPRINTT project)
背景
SPRINTT(Sarcopenia and physical frailty in older people: multi - component treatment strategies)は、欧州が世界を先導する大規模フレイル防止プロジェクトである。
イタリアUniversita Cattolica del Sacro CuoreのMarzettiら(SPRINTT)は、フレイルやサルコペニアを有する70歳以上の地域住民1,519名を対象として、同研究が開発したマルチコンポーネント介入の有効性を検証する多国籍多施設RCTを行った。介入群には、個別の栄養相談と中等強度の身体活動介入が施設で週2回、自宅で週4回行われ、コントロール群には健康的な高齢化についての教育が月1度行われた。一次アウトカムは、運動障害である。
結論
マルチコンポーネント介入の一次アウトカム有効性を認めた。
運動障害が発生したSPPBスコア3-7患者は、介入群46.8%、コントロール52.7%(HR:0.78)だった。運動障害の持続性でも介入群が優れた(HR: 0.79)。24・36ヵ月でのSPPBスコアも介入群が高かったが、重大有害イベントは介入群が多かった(RR:1.09)。
評価
介入法の洗練、SPPBスコアによる斉一的評価等メリットの多い高信頼度研究により、積極多面介入でフレイルを3年で22%改善した、という印象的な結果を報告した。ただし、認知症患者は除外されている。


