Pfizerワクチンブースター接種(4回目接種)のオミクロン株防御能:イスラエル第一報告
Protection by a Fourth Dose of BNT162b2 against Omicron in Israel

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
May 2022
386
開始ページ
1712

背景

SARS-CoV-2 オミクロン株( B.1.1.529バリアント)に対し、Pfizerワクチンのブースター接種は有効か。
2022年1月2日から世界で初めてブースター接種を試行したイスラエルのTechnion-Israel Institute of TechnologyのGoldbergらは、同国保健省データ(n=1,252,331)に基づき試行結果を報告している。

結論

4回目接種後4週目における重症COVID-19の調整後発生率は、3回接種群の3.5分の1、内部対照群(4回目接種後3〜7日間)の2.3分の1であった。この重症化防御効果は4回目接種後6週間は減弱しなかった。4回目接種後4週における検査確認感染の調整後発生率は、3回接種群の2.0分の1、内部対照群の1.8分の1であった。しかし、この防御効果は5週目以降は減弱した。

評価

世界的なブースター接種推奨の基礎となった最初のデータの公刊バーションである。「確かに効くが効果は減弱する」という示唆を提示したが、RCTではない。オミクロン株は自然感染者の再感染が多いが、ワクチン接種者への感染は少ないという南ア報告がある(https://www.science.org/doi/10.1126/science.abn4947)。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell