ワクチン接種と感染既往のCOVID-19予防能は相乗的
Protection against SARS-CoV-2 after Covid-19 Vaccination and Previous Infection

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
March 2022
386
開始ページ
1207

背景

パンデミックは、COVID-19に対するワクチンの予防効果を自然感染後の再感染予防効果と比較しうる段階に到達した。U.K. Health Security AgencyのHopkinsら(SIREN)は、同国でルーチンPCR検査を受けていた医療従事者における免疫の持続期間と有効性を、感染歴の有無、ワクチン接種の有無で比較対照する前向コホート研究を行った(n=35,768)。

結論

27%がSARS-CoV-2感染既往で、ワクチン2回接種率は95%であった。2020年12月7日〜2021年9月21日で、初回感染2,747例・再感染210例が発生した。感染既往無しでPfizerワクチンの長期間隔接種者の調整後ワクチン有効率は85%(2回目接種後14〜73日)であったが、2回目接種後中央値201日時点では51%に低下した。ChAdOx1 nCoV-19ワクチン接種者では、同有効率は58%であった(2回目接種後14〜73日)。自然感染による免疫は、ワクチン未接種の場合1年後に減衰したが、感染後にワクチンを接種した場合は、感染後18ヵ月でも有効率は90%を超えていた。

評価

断片的に未公刊結果が発表されていた事象の公刊確定で、mRNAワクチンのベクターワクチンへの優位、ワクチン効果の持続期間、感染既往者のワクチン接種の有益性等を確実なものにした。データはオミクロン株出現以前のものだが、同変異株がここでの結論を変えた、という明確な報告は未だ出ていないようである。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell