HIV陽性者のクリプトコッカス髄膜炎にアムホテリシンBリポソーム戦略登場
Single-Dose Liposomal Amphotericin B Treatment for Cryptococcal Meningitis
背景
サハラ以南アフリカでは、クリプトコッカス髄膜炎がHIV関連死の主因である。ボツワナBotswana-Harvard AIDS Institute PartnershipのJarvis ら(Ambition)は、844名のHIV陽性成人患者を対象として、1日目に高用量のアムホテリシンBリポソーム製剤を投与した後フルコナゾールを14日間投与する新戦略の有効性・安全性を検証する第3相非劣性試験を行った(対照:WHO推奨治療)。一次エンドポイントは、10週での全死因死亡である。
結論
アムホテリシンBリポソーム初期高用量負荷戦略の一次エンドポイント非劣性を認めた(差 -3.9パーセントポイント)。グレード 3/4 有害事象の発現は、新戦略群がWHO推奨治療群より少なかった。
評価
使用が単回で簡便、毒性が軽減され、さらに組織半減期が長く脳への送達が良い、という新しいリポソーム戦略である。広汎な利用が期待される。