HIV陽性者のクリプトコッカス髄膜炎にアムホテリシンBリポソーム戦略登場
Single-Dose Liposomal Amphotericin B Treatment for Cryptococcal Meningitis

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
March 2022
386
開始ページ
1109

背景

サハラ以南アフリカでは、クリプトコッカス髄膜炎がHIV関連死の主因である。ボツワナBotswana-Harvard AIDS Institute PartnershipのJarvis ら(Ambition)は、844名のHIV陽性成人患者を対象として、1日目に高用量のアムホテリシンBリポソーム製剤を投与した後フルコナゾールを14日間投与する新戦略の有効性・安全性を検証する第3相非劣性試験を行った(対照:WHO推奨治療)。一次エンドポイントは、10週での全死因死亡である。

結論

アムホテリシンBリポソーム初期高用量負荷戦略の一次エンドポイント非劣性を認めた(差 -3.9パーセントポイント)。グレード 3/4 有害事象の発現は、新戦略群がWHO推奨治療群より少なかった。

評価

使用が単回で簡便、毒性が軽減され、さらに組織半減期が長く脳への送達が良い、という新しいリポソーム戦略である。広汎な利用が期待される。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell