軽症COVID-19小児のセロコンバージョン率は成人の半分
Comparison of Seroconversion in Children and Adults With Mild COVID-19

カテゴリー
看護・母子医学
ジャーナル名
JAMA Network Open
年月
March 2022
5
開始ページ
e221313

背景

SARS-CoV-2感染小児の免疫応答には不明点が多い。オーストラリアThe Royal Children’s HospitalのLicciardiらは、COVID-19軽症(非入院)小児57名・成人51名の免疫応答を比較するコホート研究を行った。一次アウトカムは、患者のSARS-CoV-2免疫抗体(IgG)値とT・B細胞応答である。

結論

成人と小児のウイルス負荷に差がなかったにも関わらず、成人に比して小児の IgG セロコンバージョンは低率であった(37.0% vs. 76.2%)。この関係は性別とは関わらなかった。有症状成人の免疫IgG値は無症状成人の3倍であったが、小児では症状とIgG値の関連は認められなかった。セロコンバーション者の細胞免疫応答の差は、成人で小児より著しかった。

評価

小児のCOVID-19への「強さ」はパンデミック初期から周知されているが、要因は未だ「自然免疫で対処してしまうのだろう」という推測がある程度である。セロコンバーションに大差がある、という報告は他には少ないようだが、この研究は小規模である。また、この研究を「小児にもワクチンを」という推奨の根拠とする報道があるが、疑問である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(看護・母子医学)

Oncology Nursing Forum, International Journal of Nursing Studies