COVID-19規制不遵守・ワクチン忌避に小児期トラウマが関連?
Associations between adverse childhood experiences, attitudes towards COVID-19 restrictions and vaccine hesitancy: a cross-sectional study
背景
小児期逆境体験(Adverse Childhood Experiences, ACE)はその後の不適応のリスクを高めることが知られている。英国Bangor UniversityのBellisらは、ウェルズの世帯の成人2,285名に対する電話インタビューにより、ACEとCOVID-19関連健康情報への信頼、COVID-19対処制限に対する態度と遵守、ワクチン忌避との関連を検討した。ACEは9種であった:身体的虐待・言葉による虐待・性的虐待・親の別居・家庭内暴力への曝露・精神疾患・アルコール/薬物濫用・同居家族が受刑者。
結論
ACE数の増加は、NHS COVID-19情報への信頼の低さと独立に関連しており、政府によって不当に制限されていると感じ、マスク着用規制に違反した。高いACE数(4+ vs 0 ACEs)は、ソーシャルディスタンス不履行と関連した。COVID-19対処制限不遵守はACE数とともに増加し、ACEがない状態に比して、4+では倍増した。ワクチン忌避は、ACE4+で3倍高く(vs 0 ACE)、若年齢層で高かった。ワクチン忌避者率の推定値は、70歳以上0ACE0で3.42%、18〜29歳4+ACEで38.06%であった。
評価
パンデミックにおける重要問題に優れた角度から切り込んだ研究で、メディア・SNSで広く採り上げられている。首肯しうる結果ともみえるが、電話回答率は4割以下で回答者は女性が多かったという。