看護師の職場環境改善はICU患者の死亡率を低減する
Intensive Care Unit Utilization Following Major Surgery and the Nurse Work Environment

カテゴリー
看護・母子医学
ジャーナル名
AACN Advanced Critical Care
年月
December 2021
32
開始ページ
381

背景

看護師の職場環境と、患者のICU入室リスクと術後死亡率の関連は。
University of IowaのKruppらは、2006年〜2007年に米国453の病院において一般・整形外科・血管手術を受けた269,764名の成人患者のデータを使用し、ICU入室および死亡率に対する職場環境の影響を推定した。
職場環境を、病院業務への看護師の参加、ケアの質のための看護基盤、看護師のリーダーシップとサポート、人員配置とリソース、看護師と医師の間のコミュニケーションの5要素に基づいてスコアリングした。上位25%スコアの病院を「良好」、中位50%を「混合(mixed)」、下位25%を「不良」と分類した。

結論

ICU入室後の30日死亡率は、「良好」病院で12%、「混合(mixed)」病院で13.4%、「不良」病院で16%であった。
「不良」病院と比較して「良好」病院で治療された場合、ICU入室率が29%低く、入室後30日死亡率が21%低かった。

評価

看護師の職場環境がICU死亡率に影響する、とした初めての大規模調査である。著者らは、リーダーシップ促進戦略や適切な人員配置モデルの導入など、看護師の職場環境改善のための早期介入により、病院は緊急時に経験するICUの収容能力の圧力に対してより抵抗力ができる、と結論している。 American Nurses Credentialing Centerは、職場環境に対するMagnet Recognition Program(R)を提唱・実行している(https://www.nursingworld.org/organizational-programs/magnet/)。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(看護・母子医学)

Oncology Nursing Forum, International Journal of Nursing Studies