看護師の職場環境改善はICU患者の死亡率を低減する
Intensive Care Unit Utilization Following Major Surgery and the Nurse Work Environment
背景
看護師の職場環境と、患者のICU入室リスクと術後死亡率の関連は。
University of IowaのKruppらは、2006年〜2007年に米国453の病院において一般・整形外科・血管手術を受けた269,764名の成人患者のデータを使用し、ICU入室および死亡率に対する職場環境の影響を推定した。
職場環境を、病院業務への看護師の参加、ケアの質のための看護基盤、看護師のリーダーシップとサポート、人員配置とリソース、看護師と医師の間のコミュニケーションの5要素に基づいてスコアリングした。上位25%スコアの病院を「良好」、中位50%を「混合(mixed)」、下位25%を「不良」と分類した。
結論
ICU入室後の30日死亡率は、「良好」病院で12%、「混合(mixed)」病院で13.4%、「不良」病院で16%であった。
「不良」病院と比較して「良好」病院で治療された場合、ICU入室率が29%低く、入室後30日死亡率が21%低かった。
評価
看護師の職場環境がICU死亡率に影響する、とした初めての大規模調査である。著者らは、リーダーシップ促進戦略や適切な人員配置モデルの導入など、看護師の職場環境改善のための早期介入により、病院は緊急時に経験するICUの収容能力の圧力に対してより抵抗力ができる、と結論している。 American Nurses Credentialing Centerは、職場環境に対するMagnet Recognition Program(R)を提唱・実行している(https://www.nursingworld.org/organizational-programs/magnet/)。