小児HIV-1へのARTにパラダイムシフト
Dolutegravir as First- or Second-Line Treatment for HIV-1 Infection in Children
背景
ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)感染小児への最適の抗レトロウイルス療法(ART)は。英国University College LondonのTurkovaら(ODYSSEY)は、一次/二次ARTを開始する小児・思春期児707名を対象として、ドルテグラビルを主体とする3剤併用ARTの効果・安全性 を同薬不使用標準治療と比較する非盲化非劣性RCTを行った。一次エンドポイントは、96週時点までのウイルス学的/臨床的治療失敗率である。
結論
ドルテグラビルの一次エンドポイント非劣性を認めた(0.14 vs.0.22)。治療効果は一次治療・二次治療同等であった。重篤有害事象はドルテグラビル群の35名と標準治療群の40名で少なくとも1件発生、グレード3以上の有害事象は各73名・86名に少なくとも1件発生した。ART の変更に至った有害事象は標準治療群が有意に多かった。
評価
非劣性試験としてデザインされたが、著者らはドルテグラビルの方が良い、と明言している。成人でも同薬は耐性が発現しにくいことが認められており、小児ARTのパラダイムを変える結果となった。