抗うつ薬継続患者は止めない方がよい:ANTLER ISRCTN
Maintenance or Discontinuation of Antidepressants in Primary Care

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
September 2021
385
開始ページ
1257

背景

うつ病患者の抗うつ薬治療は普通長期に及ぶが、継続は中止より効果があるのか。英University College LondonのLewis ら(ANTLER ISRCTN)は、同国一次診療所150ヵ所で治療を受けている同成人患者を対象として、これを検証するRCTを行った(n=478)。患者は、うつエピソードの既往が2回以上あるか抗うつ薬を2年以上服用しており、抗うつ薬中止を検討できるほど状態良好であった。患者を現行抗うつ薬継続群(継続群)と、プラセボを用いて現行抗うつ薬を漸減・中止するマッチ化群(中止群)に割り付けた。一次アウトカムは、52週の試験期間中のうつ病の初回再発である。

結論

一次アウトカムにおける継続の有効性を認めた(HR:2.06)。中止群では、抑うつ・不安・離脱症状が継続群より多かった。

評価

「漫然と継続するのは有害」という見解も強い重要な問題で多くのRCTが行われてきたが、メタアナリシスは継続の有益性を支持している。NEJM Editorialは、ここでの結果を「重要だが残念」としている。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell