抗うつ薬継続患者は止めない方がよい:ANTLER ISRCTN
Maintenance or Discontinuation of Antidepressants in Primary Care
背景
うつ病患者の抗うつ薬治療は普通長期に及ぶが、継続は中止より効果があるのか。英University College LondonのLewis ら(ANTLER ISRCTN)は、同国一次診療所150ヵ所で治療を受けている同成人患者を対象として、これを検証するRCTを行った(n=478)。患者は、うつエピソードの既往が2回以上あるか抗うつ薬を2年以上服用しており、抗うつ薬中止を検討できるほど状態良好であった。患者を現行抗うつ薬継続群(継続群)と、プラセボを用いて現行抗うつ薬を漸減・中止するマッチ化群(中止群)に割り付けた。一次アウトカムは、52週の試験期間中のうつ病の初回再発である。
結論
一次アウトカムにおける継続の有効性を認めた(HR:2.06)。中止群では、抑うつ・不安・離脱症状が継続群より多かった。
評価
「漫然と継続するのは有害」という見解も強い重要な問題で多くのRCTが行われてきたが、メタアナリシスは継続の有益性を支持している。NEJM Editorialは、ここでの結果を「重要だが残念」としている。