嚢胞性線維症に3剤併用療法を
Triple Therapy for Cystic Fibrosis Phe508del-Gating and -Residual Function Genotypes
背景
低分子CFTRモジュレータによる嚢胞性線維症(CF)治療が進んできたが、多剤併用の有効性・安全性は。University of KansasのPolineniら(VX18-445-104)は、Phe508delゲーティング遺伝子型またはPhe508del機能残存遺伝子型のCF患者(12歳以上)258名を対象としてelexacaftor(E)・tezacaftor(T)・ivacaftor(I)併用の効果・安全性を検証する第3相試験を行った。IまたはTIによる4週の導入期間後、患者を8週のETI群と対照実薬(I単独またはTI)群に割り付けた。一次エンドポイントは、%FEV1の絶対変化である。
結論
ETI併用の一次エンドポイント効果を認めた(ベースラインから3.7%増;対照実薬群より3.5%増)。汗中クロライド濃度、CFQ-R呼吸器領域スコアでも有効性を認めた。有害事象発生率に群間差はなく、ETI群の1名、対照群の2名が有害事象で試験を中止した。
評価
作用機序の相補性の確認に基づいてI単剤、TI併用と続いてきた探求を3剤併用に拡張する試験で、 state-of-the-art 療法に到達したようである。当面の標準となるものとみられる。