Type 1 SMAに経口スプライシング修飾薬risdiplam登場
Risdiplam-Treated Infants with Type 1 Spinal Muscular Atrophy versus Historical Controls
背景
Risdiplamは、I型脊髄性筋萎縮症(SMA)を起因するSMN2のmRNA前駆体スプライシングを修飾して機能性SMNタンパクの合成を増幅する経口低分子薬である。Harvard Medical SchoolのDarrasら(FIREFISH)は、生後1〜7ヵ月の同疾患乳児41名を対象として、同薬の効果・安全性を検証する非盲検試験を行った(対照:歴史的無治療患者)。一次エンドポイントは、投与開始後 12ヵ月時点での支持なしで座位の5秒以上保持である。
結論
29%が一次エンドポイントを達成した(無治療対照では不可能)。CHOP-INTENDスコア40以上等二次エンドポイントでも有効性を認めた。とくに頻度の高い重篤有害事象は、肺炎・細気管支炎・筋緊張低下・呼吸不全であった。
評価
同疾患研究のメッカである Boston Children’sが発表する最新の治療手法である。同薬はすでに2020にFDA承認されており、長期研究、異なる患者集団への応用、nusinersen等既存薬との比較検証も進行中である。ただし、この試験に参加した乳児中3名はすでに呼吸不全で死亡した、という。