COVID-19関連小児多臓器炎症症候群(MIS-C)は未だ治療の決め手なし
Treatment of Multisystem Inflammatory Syndrome in Children
背景
COVID-19関連小児多臓器炎症症候群(MIS-C)の治療意思決定を支援するエビデンスは未だ乏しい。英国Imperial College LondonのLevinら(BATS)は、32ヵ国614例の臨床データを用いて国際観察コホート研究を行った。比較検討した治療法は、免疫グロブリン静注療法(IVIG)・IVIG+グルココルチコイド・グルココルチコイド単独である。一次アウトカムは、2日目以降の強心薬投与/人工呼吸管理または死亡の複合、および2日目までの重症度低下である。
結論
IVIG ・IVIG+グルココルチコイド・グルココルチコイド単独の間に一次アウトカム差を認めなかった。
評価
プラセボ対照のない観察研究だが、これらの治療に関わらず悪性一次アウトカムが約13%の児で起こっており、深刻な病態である。著者らは、「グルココルチコイド単独がよいというモデストなエビデンスがある」としているが、決め手は存在していない。モノクローナル抗体の効果検証も不十分である。