ボルバキア感染蚊投入によるデング熱制御の有効性を確認:AWED
Efficacy of Wolbachia-Infected Mosquito Deployments for the Control of Dengue
背景
デング熱制御のためにネッタイシマカ(Aedes aegypti)をボルバキア菌Wolbachia pipientis wMel株に感染させる手法の初めての大規模RCTが成功した。Monash UniversityのSimmonsら(AWED)らによるもので、インドネシア・ジョグジャカルタで24 地域(n=8,144)に対して行われた。介入クラスターにはwMel 感染ネッタイシマカを投入、対照クラスターは非投入とし、蚊防除対策を全クラスターで通常どおり実施した。一次エンドポイントは、デングウイルス全血清型による有症状のウイルス確認デング熱(VCD)である。
結論
介入の一次エンドポイント効果を確認した(OR:0.23)。介入による感染防御効果は77.1%で、デングウイルス4血清型別効果は同等であった。入院防御効果は86.2%であった。
評価
すでにいくつかの地域でパイロット実験が行われていた手法のダメ押し的ランドマーク試験である。世界蚊プログラムは、この手法で2030年までに世界5億人をカバーすることを目指しているという。