重症・コントロール不良喘息に抗TSLP抗体薬tezepelumab登場
Tezepelumab in Adults and Adolescents with Severe, Uncontrolled Asthma
背景
Tezepelumabは、新規胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP:上皮細胞由来サイトカイン)標的化ヒトモノクローナル抗体である。英国Royal Brompton HospitalのMenzies-Gowら(NAVIGATOR)は、重症・コントロール不良喘息患者1,061名を対象として、その効果・安全性を検証する第3相RCTを行った(対照:プラセボ)。一次エンドポイントは、52週間内での喘息増悪発生率である。
結論
Tezepelumabの一次エンドポイント効果を認めた(RR 0.44)。肺機能・喘息コントロール・健康関連QOL等二次エンドポイント効果も認めた。
評価
喘息に対する抗体薬開発が急進展しているが、同薬は標的TSLPの機能がより広範であるため、作用機序がユニークである。重症者治療で一定のポジションを得る可能性もある。