小児の反復性急性中耳炎に対し、鼓膜換気チューブ留置術と薬物療法は「同等」?
Tympanostomy Tubes or Medical Management for Recurrent Acute Otitis Media
背景
急性中耳炎を反復する小児に対して鼓膜切開・鼓膜換気チューブ留置を推奨すべきか。UPMC Children’s Hospital of PittsburghのHoberman らは、250名の患者を対象としてこれを検証するRCTを行った(対照:薬物療法)。対象患者は、急性中耳炎エピソードが6ヵ月間に3回以上発生している、または12ヵ月間に4回以上発生しそのうち少なくとも1回は6ヵ月以内に発生している生後6〜35ヵ月の小児で、一次アウトカムは2年間における人年あたりの急性中耳炎エピソード数(発生率)平均である。
結論
ITT解析でもper-protocol 解析でも、一次アウトカムに有意差はなかった。
評価
小児医学の大きな懸案の一つを解決すべく行われたRCTだが、要請患者の1/5しか参加せず、群間スイッチも多い、という困難な試験となった。NEJM Editorialは、このような点からもこれを「最終結論」と認めることには躊躇しているようである。主治医・患者・保護者の選好に依存する状況を大きく変えられそうにはない。