小児の反復性急性中耳炎に対し、鼓膜換気チューブ留置術と薬物療法は「同等」?
Tympanostomy Tubes or Medical Management for Recurrent Acute Otitis Media

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
May 2021
384
開始ページ
1789

背景

急性中耳炎を反復する小児に対して鼓膜切開・鼓膜換気チューブ留置を推奨すべきか。UPMC Children’s Hospital of PittsburghのHoberman らは、250名の患者を対象としてこれを検証するRCTを行った(対照:薬物療法)。対象患者は、急性中耳炎エピソードが6ヵ月間に3回以上発生している、または12ヵ月間に4回以上発生しそのうち少なくとも1回は6ヵ月以内に発生している生後6〜35ヵ月の小児で、一次アウトカムは2年間における人年あたりの急性中耳炎エピソード数(発生率)平均である。

結論

ITT解析でもper-protocol 解析でも、一次アウトカムに有意差はなかった。

評価

小児医学の大きな懸案の一つを解決すべく行われたRCTだが、要請患者の1/5しか参加せず、群間スイッチも多い、という困難な試験となった。NEJM Editorialは、このような点からもこれを「最終結論」と認めることには躊躇しているようである。主治医・患者・保護者の選好に依存する状況を大きく変えられそうにはない。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell