新規COVID-19予防Novavaxナノ粒子ワクチンは南アフリカB.1.351バリアントにも50% 有効
Efficacy of NVX-CoV2373 Covid-19 Vaccine against the B.1.351 Variant

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
May 2021
384
開始ページ
1899

背景

NovavaxのNVX-CoV2373は、新規COVID-19予防用SARS-CoV-2ナノ粒子ワクチンである。NovavaxのShindeら(2019nCoV-501)は、南アフリカで行った同ワクチンの第2a・b相試験の結果を報告している(n=4,387;対照:プラセボ)。一次エンドポイントは、安全性およびSARS-CoV-2感染無既往者における 第2回接種後7日目以降のCOVID-19非感染である。

結論

参加者の約30%がベースライン時に血清抗SARS-CoV-2抗体陽性であった。ベースライン時抗体陰性者2,684名で、ワクチン有効率49.4%を確認した。配列決定した41の分離株の92.7%が B.1.351(「南アフリカ型」) 変異株であった。局所・全身反応原性事象はワクチン群でより多くみられたが、重篤有害事象は両群とも非常に少なかった。

評価

mRNA・ベクターワクチンに続く「第3のワクチン」の登場だが、試験時にバリアントが既存株を置き換えていたため、南アフリカバリアントへのワクチン効果をみる試験ともなった。「一応有効」という結果は心強いが、NEJM併載論文でChAdOx1 nCoV-19(アストラゼネカ)ワクチンは「あまり有効でない」という結果を出している(https://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMoa2102214)。諸バリアントへのワクチン効果の検証は未だ不十分であり、非公刊情報が錯綜している。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell