イスラエルからmRNA COVID-19ワクチンBNT162b2効果の歴史的第一報告
BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine in a Nationwide Mass Vaccination Setting

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
April 2021
384
開始ページ
1412

背景

イスラエルは、驚くべき速さで集団免疫に近いレベルまでのCOVID-19ワクチン接種を達成した世界最初の国家となった。同国Clalit Health ServicesのBalicerらは、2020年12月20日〜2021年 2月1日での、mRNAワクチンBNT162b2の有効性・安全性を評価する接種者・非接種者ケース・コントロール研究を行った(n=各群596,618)。アウトカムは、SARS-CoV-2感染、COVID-19発症・同入院・同重症化・同死亡である。

結論

ワクチン有効性は、初回・2回目接種時点で、確認感染46%・92%、COVID-19発症57%・94%、同入院74%・87%、同重症化62%・92%であった。死亡予防有効性は、初回接種後14〜20日時点で72%と推定された。有効性は全年齢層で同等であり、併存疾患複数保有者で若干低いとみられた。

評価

COVID-19mRNAワクチンのリアルワールド効果に関する歴史的な第一報告である。他ワクチンに関しても続々と報告されるとみられ、特にバリアントへのリアルワールド効果の見極めは重要である。 著者らは、NEJM通信欄で免疫抑制患者や移植者への効果に関する問い合わせに答えているが、両者とも幅は低下するものの効果があるようだ、としている。BNT162b2ワクチンに起因することが確実な重篤有害事象に関する明確な記載は未だない。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell