Sutimlimab、寒冷凝集素症への有効性を示す:CARDINAL
Sutimlimab in Cold Agglutinin Disease
背景
Sutimlimabは、補体C1複合体セリンプロテアーゼのC1sタンパクを標的化する抗体薬である。ドイツUniversity of Duisburg-EssenのRothら(CARDINAL)は、最近輸血治療を受けた寒冷凝集素症患者24名を対象として、その効果・安全性を検証する非盲検単群試験を行った。複合一次エンドポイントは、赤血球輸血や試験実施計画書禁止薬使用を伴わないHb濃度の12g/dL以上への正常化またはベースラインから2g/dL以上の上昇である。
結論
Sutimlimabの54%の患者への一次エンドポイント効果を認めた(26週目における上昇の最小二乗平均値は2.6g/dL)。 平均ビリルビン濃度は3週目までに正常化し、71%は5-26週の間に輸血を受けなかった。補体古典経路活性の抑制も確認した。92%の患者で有害事象が1件以上発現し、29%は重篤であったが、薬剤関連とは判断されなかった。髄膜炎菌感染症は発生しなかった。
評価
輸血に頼るだけで決め手のなかった自己免疫病態で、C5阻害薬エクリズマブも試みられたが、十分に効果的でなかった。補体古典経路C1sの選択的標的化戦略が有効であることを示した画期的臨床試験であり、同薬は有害事象とのバランスを考慮しながら使われることになろう。