アトピー性皮膚炎に経口JAK1阻害薬abrocitinib登場
Abrocitinib versus Placebo or Dupilumab for Atopic Dermatitis
背景
アトピー性皮膚炎治療への様々なJAK阻害薬の使用が探求されている。PfizerのValdezら(ADE COMPARE)は、838名の同患者(外用薬治療困難)を対象として、abrocitinib(IL4・IL13 シグナル伝達を抑制する経口JAK1阻害薬)とデュピルマブ(IL4 受容体拮抗抗体薬)の効果をプラセボと比較検証する第3相DBRCTを行った。一次エンドポイントは、12週時点における医師による奏効(IGAスコア ・EASIスコア)の総合判定である。
結論
Abrocitinibの対プラセボ一次エンドポイント効果を認めた。高用量(200mg)では、2週時点における掻痒改善でデュピルマブに優った。
評価
効果はほぼデュピルマブと同等か優位ということで、経口薬であることは強みである。デュピルマブでは機能障害性結膜炎が報告されており、JAK阻害薬には血栓塞栓症や癌リスクが伴う。なお、この試験は成人患者を対象とするもので、小児患者への有効性・安全性は未知である。