発作性夜間ヘモグロビン尿症にpegcetacoplan登場
Pegcetacoplan versus Eculizumab in Paroxysmal Nocturnal Hemoglobinuria
背景
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)治療は補体C5阻害薬の登場によりランドスケープが変わったが、血管外溶血への対処不十分等、効果は十全ではない。英国St. James’s University HospitalのHillmenら(PEGASUS)は、エクリズマブ治療下でHb<10.5 g/dL の同成人患者を対象として、pegcetacoplan(近位補体蛋白C3標的化ペグ化ペプチド)の有効性・安全性をエクリズマブと比較する第3相非盲検試験を行った。一次エンドポイントは、Hb値のベースラインから16週時点までの変化量平均である。
結論
Pegcetacoplanの一次エンドポイント効果を認めた(補正後最小二乗平均差3.84 g/dL)。輸血不要化患者率も高かった。ただし、LDH値では優性は認めなかった。高頻度有害事象は、注射部位反応(37% vs. 3%)・下痢(22% vs. 3%)・ブレイクスルー溶血(10% vs. 23%)・頭痛(7% vs. 23%)・疲労(5% vs. 15%)であった。両群とも髄膜炎菌感染症は生じなかった。
評価
抗体薬を標的化ペグ化ペプチドで置き換える、という注目すべき治療概念が成功し、承認は確実と見られる。同薬はAMDに起因するgeographic atrophyへの効果も期待されている(https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02503332)。