発作性夜間ヘモグロビン尿症にpegcetacoplan登場
Pegcetacoplan versus Eculizumab in Paroxysmal Nocturnal Hemoglobinuria

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
March 2021
384
開始ページ
1028

背景

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)治療は補体C5阻害薬の登場によりランドスケープが変わったが、血管外溶血への対処不十分等、効果は十全ではない。英国St. James’s University HospitalのHillmenら(PEGASUS)は、エクリズマブ治療下でHb<10.5 g/dL の同成人患者を対象として、pegcetacoplan(近位補体蛋白C3標的化ペグ化ペプチド)の有効性・安全性をエクリズマブと比較する第3相非盲検試験を行った。一次エンドポイントは、Hb値のベースラインから16週時点までの変化量平均である。

結論

Pegcetacoplanの一次エンドポイント効果を認めた(補正後最小二乗平均差3.84 g/dL)。輸血不要化患者率も高かった。ただし、LDH値では優性は認めなかった。高頻度有害事象は、注射部位反応(37% vs. 3%)・下痢(22% vs. 3%)・ブレイクスルー溶血(10% vs. 23%)・頭痛(7% vs. 23%)・疲労(5% vs. 15%)であった。両群とも髄膜炎菌感染症は生じなかった。

評価

抗体薬を標的化ペグ化ペプチドで置き換える、という注目すべき治療概念が成功し、承認は確実と見られる。同薬はAMDに起因するgeographic atrophyへの効果も期待されている(https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02503332)。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell