Oxford-AstraZenekaのCOVID-19ワクチンは、「1回でも十分有効」・「追加接種は3ヵ月後がよい」
Single-dose administration and the influence of the timing of the booster dose on immunogenicity and efficacy of ChAdOx1 nCoV-19 (AZD1222) vaccine: a pooled analysis of four randomised trials

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The Lancet
年月
March 2021
397
開始ページ
881

背景

Oxford-AstraZenekaの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンChAdOx1 nCoV-19(AZD1222)は、他の主要ワクチンと同様ブースターショットが推奨されているが、どれくらいの間隔がよいのか。英University of OxfordのPollardらは、4 RCTのプール解析をおこなった(n=17,178)。一次アウトカムは、症候性COVID-19で、2回目の接種後14日以上経過時点における、核酸増幅検査(NAAT)陽性と少なくとも1つの症状(37.8℃以上の発熱・咳・息切れ・嗅覚消失/味覚消失)である。

結論

ワクチン接種後22〜90日目までの単回標準接種後のワクチン有効性は、76.0%であった。最初の3ヵ月で保護能の減衰はなく、抗体レベルも維持された。ブースター接種者では、ブースター後の有効性はブーストまでの間隔が長い方が高かった(12週以上:81.3% vs. 6週未満:55.1%)。この結果は、抗体応答が2倍以上というデータによっても裏付けられた。

評価

「Oxford-AstraZenekaワクチンは1回でも十分有効」「3ヵ月間隔の方がよい」としてメディアにも多数採り上げられた結果である。ただし、ここでの結果は、ブースター接種の間隔問題に特化したRCTの結果に基づくものでなく、基本的なワクチ有効性・安全性試験の探索的二次分析によるものである。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell