パーキンソン病に集束超音波による低侵襲視床下核破壊術登場
Randomized Trial of Focused Ultrasound Subthalamotomy for Parkinson’s Disease
背景
集束超音波法は従来の外科的アプローチに代わる低侵襲治療法で、本態性振戦に対しては徐々に普及しつつある。University of VirginiaのMartinez-Fernandezらは、パーキンソン病に対する同視床下核破壊術の有効性・安全性を検証するRCTを行った(対照:シャム手術、n=40)。対象は、顕著な非対称性運動症状を示すが薬物で充分にコントロールできず、深部刺激の適応のない同患者で、一次アウトカムは、オフメディケーションでの患側のMDS-UPDRS運動スコア(III)である。
結論
実手術の一次アウトカム効果を認めた。術前・術後4ヵ月でのMDS-UPDRS IIIスコア中央値は、実手術群で19.9・9.9、シャム手術群で18.7・17.1であった。実手術群での有害事象は、オフメディケーション時のジスキネジア、オンメディケーション時のジスキネジア、患側の筋力低下、言語障害、顔面筋力低下、歩行障害であった。
評価
著者らは、この治療効果・有害事象は定位的視床下核高周波凝固術と同様であった、としている。対照を視床下核深部電気刺激術(DBS)に採った大規模検証が正当化されよう。