COVID-19肺炎入院患者にトシリズマブは有効:EMPACTA
Tocilizumab in Patients Hospitalized with Covid-19 Pneumonia
背景
日本発薬トシリズマブは、COVID-19におけるサイトカイン放出症候群抑制に期待されてきた。GenentechのMohanら(EMPACTA)は、同肺炎で入院し、人工呼吸管理を受けていない患者に対する標準治療へのトシリズマブ追加の効果を検証するRCTを行った(対照:プラセボ、n=389)。一次アウトカムは、28日間人工呼吸管理または死亡である。
結論
トシリズマブの一次アウトカム効果を認めた(HR:0.56)。ただし、全死因死亡低減効果幅(2%)は有意ではなかった。有害事象に差はなかった。
評価
英政府は同薬を推奨としたが著者ら自身が死亡アウトカムへのインパクトが少ないことを指摘しているため、他報告結果に鑑み、FDAが直ちに承認するかどうかは微妙である。