歴史的COVID-19 mRNAワクチンBNT162b2の有効性・安全性を報告
Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
December 2020
383
開始ページ
2603

背景

COVID-19に対しては2021年1月現在、最も有力な3種のワクチンが欧米ですでに接種開始されている。PfizerのAbsalonらは、Pfizer、BioNTechのmRNAワクチンBNT162b2の第2/3相試験の結果を発表している(対照:プラセボ、n=43,548)。対象者は16歳以上、接種は21日間隔で2回、一次エンドポイントは、PCR検査によるCOVID-19感染に対する有効性と安全性である。

結論

BNT162b2の有効性は95%、年齢・性・人種・民族・ベースラインBMI・併存疾患で大差はなかった。安全性プロファイルは、短期の軽〜中等度注射部位疼痛・疲労・頭痛であり、重篤有害事象の発生に群間差はなかった。

評価

FDAが最初にEUAした歴史的なワクチンである。パンデミック制御の決め手となりえるだけでなく、次世代ワクチンとして「次のパンデミック」への迅速な対応の範型ともなりえる。さらに、シームレスな連続的1/2/3相試験デザインでも先行的である。接種実施以後アナフィラキシー例が少数出ている他、超長期安全性に関しては基本的に不明である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell