自己免疫性肺胞蛋白症にGM-CSF吸入薬molgramostim登場
Inhaled Molgramostim Therapy in Autoimmune Pulmonary Alveolar Proteinosis
背景
希少疾患自己免疫性肺胞蛋白症(aPAP)にはFDA承認薬がない。Translational Pulmonary Science CenterのTrapnellら(IMPALA)は、同患者138名を対象として、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(rhGM-CSF)吸入薬molgramostimの効果・安全性を検証するRCTを行った(対照:プラセボ)。一次エンドポイントは、A-aDO2のベースラインから24週目までの変化である。
結論
Molgramostimの一次エンドポイント効果を認めた(推定治療差:−6.2 mmHg)。二次エンドポイントでも改善が見られた。有害事象に群間差はなかった。
評価
同疾患がGM-CSFと関連することを突き止めたCincinnati Children's Hospitalグループが、基礎から20年間積み上げてきた成果である。aPAPに対する最初のFDA承認薬となることが期待されるが、6MWDや全肺洗浄治療頻度には影響しなかったともされており、「特効薬」ではない。